なんとな~くやってみるブログ。
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「ねぇ、リツ?」
「ん??」
タカタカタンタカ………あれ??
あぁ………トリプルの方が良いか???
タカタタカタタン…うん、こっちの方がしっくりくるかも。
今日もおやまじゃくしと睨めっこ。
譜読みって正直面倒だ。
やっぱシュウに一回吹いて貰った方が楽かもしれない。
耳コピだったらサラーっと出来るのに。
隣にいる春奈の声だって、ほとんど遠くに霞んで聞こえない。
まぁ…春奈だから、良いんだけど。
「ねぇ、リツってば。聞こえてる?」
「…………うん?」
「あのさ、あたし達付き合おっか?」
「…………」
…………………
今コイツ、何て言った?
俺はやっと譜面から顔を上げて、その端正な顔を見つめる。
にっこり俺を見ている顔は客観的に見れば可愛い。
あぁ、顔だけは、だけど。
「ねぇ、あたし達、付き合おっか?」
俺まだ何も言ってないんだけど………
顔に出てたんだろうか、春奈がもう一回。
今度は力強く言ってみせる。
何言い始めるんだ、この女。
その声のトーンは「明日買い物付き合ってよ」って時とまったく変わらない。
まったくよどみない。
「何言ってんの、お前。」
「だってリツ、私の事好きじゃん。」
「はぁ!!?」
まるで「リツって甘い物好きだよね」とか言うみたいに。
何を自惚れてんだ、この女は。
あぁ、でも好きか嫌いかで言ったら好きなのかもしれない。
けど、それはそれ、これはこれ。
こんな色気のない女はどうかと思うよ、俺は。
「何、春奈飢えてんの?」
「まさか、私はいつでもモテモテですー!」
「じゃあいいじゃん。」
「いや、今まで何人か付き合ってみたんだけどね?」
「………はぁっ!!?」
こいつ、俺が音楽やらサッカーやらでそんなん考えてる余裕もない時に。
何をそんな暢気な事してんだ。
っつーか
「聞いてない!!!」
「言ってないもん。」
「なんで!!!」
「だってリツに言う必要ある?」
「………………………」
あぁ、そうだよな。
ただの幼なじみだもんな。
言う必要はないよ。
でも………でも…
「何人?」
「三人。」
「……………お前なぁ…………」
「良い人だったけどね、みんな。でも、なんていうかこう…しっくり来ないんだよねぇ…」
「あっそ。」
「リツほどしっくり来る人いないよ?」
「………………はぁ?」
こいつはいつも唐突すぎて、ちょっとついて行けない。
「おま……何言って…………」
「ふふーっ、だから付き合っちゃおうよ。何なら私以外と付き合ってみれば良いじゃん。そしたら私の偉大さが分かるよ。」
「別の人に心奪われちゃうかもよ?」
「それはないわね。」
「あるよ。」
「ない。」
にこにこと笑いながら、目の前の女が俺に抱きついてくる。
ドキドキしたりとか、全然そんなんない。
いいの?俺の恋愛、こんなんで良いの!!?
「よろしくね、私のカレシさん!!」
「あれ、誰か他の女と付き合ってみればってのは……??」
「ん?二股オッケーだよ?」
「するか!!!!!ばか!!!!!!」
俺がちょっとムッときてその細い体を引き離すと、春奈はこくんと首をかしげる。
「なんで?」
「なんでって、お前は良くてもその別の女の子が可哀想だろ!!」
「ん?あぁ~~…………」
俺は怒ってる。
のに、春奈はふにゃっと笑って見せた。
何だってんだ、ホントに。
「私、リツのそういうとこ好き。」
「あぁ、そうかよ。」
「うん、だから付き合おう?ね??」
「…………………………」
春奈の事は好きだ、多分。
でもそれ以上に俺には気になる事があるわけで。
「お前さ、身長今何cm?」
「155。」
「……………………」
俺より1cm低い。
「俺ね、付き合うなら自分より背低い子って決めてんの。」
「今はセーフ。」
「うん、ギリギリ。」
「じゃあ、私の方がおっきくなったら別れよっか。」
「うん。」
何だ、俺ら。
良いのか、コイビトって、こんなんでいいの…!!!?
自問自答しつつ。
それでも春奈は俺の、俺は春奈の、コイビトになった。
「ん??」
タカタカタンタカ………あれ??
あぁ………トリプルの方が良いか???
タカタタカタタン…うん、こっちの方がしっくりくるかも。
今日もおやまじゃくしと睨めっこ。
譜読みって正直面倒だ。
やっぱシュウに一回吹いて貰った方が楽かもしれない。
耳コピだったらサラーっと出来るのに。
隣にいる春奈の声だって、ほとんど遠くに霞んで聞こえない。
まぁ…春奈だから、良いんだけど。
「ねぇ、リツってば。聞こえてる?」
「…………うん?」
「あのさ、あたし達付き合おっか?」
「…………」
…………………
今コイツ、何て言った?
俺はやっと譜面から顔を上げて、その端正な顔を見つめる。
にっこり俺を見ている顔は客観的に見れば可愛い。
あぁ、顔だけは、だけど。
「ねぇ、あたし達、付き合おっか?」
俺まだ何も言ってないんだけど………
顔に出てたんだろうか、春奈がもう一回。
今度は力強く言ってみせる。
何言い始めるんだ、この女。
その声のトーンは「明日買い物付き合ってよ」って時とまったく変わらない。
まったくよどみない。
「何言ってんの、お前。」
「だってリツ、私の事好きじゃん。」
「はぁ!!?」
まるで「リツって甘い物好きだよね」とか言うみたいに。
何を自惚れてんだ、この女は。
あぁ、でも好きか嫌いかで言ったら好きなのかもしれない。
けど、それはそれ、これはこれ。
こんな色気のない女はどうかと思うよ、俺は。
「何、春奈飢えてんの?」
「まさか、私はいつでもモテモテですー!」
「じゃあいいじゃん。」
「いや、今まで何人か付き合ってみたんだけどね?」
「………はぁっ!!?」
こいつ、俺が音楽やらサッカーやらでそんなん考えてる余裕もない時に。
何をそんな暢気な事してんだ。
っつーか
「聞いてない!!!」
「言ってないもん。」
「なんで!!!」
「だってリツに言う必要ある?」
「………………………」
あぁ、そうだよな。
ただの幼なじみだもんな。
言う必要はないよ。
でも………でも…
「何人?」
「三人。」
「……………お前なぁ…………」
「良い人だったけどね、みんな。でも、なんていうかこう…しっくり来ないんだよねぇ…」
「あっそ。」
「リツほどしっくり来る人いないよ?」
「………………はぁ?」
こいつはいつも唐突すぎて、ちょっとついて行けない。
「おま……何言って…………」
「ふふーっ、だから付き合っちゃおうよ。何なら私以外と付き合ってみれば良いじゃん。そしたら私の偉大さが分かるよ。」
「別の人に心奪われちゃうかもよ?」
「それはないわね。」
「あるよ。」
「ない。」
にこにこと笑いながら、目の前の女が俺に抱きついてくる。
ドキドキしたりとか、全然そんなんない。
いいの?俺の恋愛、こんなんで良いの!!?
「よろしくね、私のカレシさん!!」
「あれ、誰か他の女と付き合ってみればってのは……??」
「ん?二股オッケーだよ?」
「するか!!!!!ばか!!!!!!」
俺がちょっとムッときてその細い体を引き離すと、春奈はこくんと首をかしげる。
「なんで?」
「なんでって、お前は良くてもその別の女の子が可哀想だろ!!」
「ん?あぁ~~…………」
俺は怒ってる。
のに、春奈はふにゃっと笑って見せた。
何だってんだ、ホントに。
「私、リツのそういうとこ好き。」
「あぁ、そうかよ。」
「うん、だから付き合おう?ね??」
「…………………………」
春奈の事は好きだ、多分。
でもそれ以上に俺には気になる事があるわけで。
「お前さ、身長今何cm?」
「155。」
「……………………」
俺より1cm低い。
「俺ね、付き合うなら自分より背低い子って決めてんの。」
「今はセーフ。」
「うん、ギリギリ。」
「じゃあ、私の方がおっきくなったら別れよっか。」
「うん。」
何だ、俺ら。
良いのか、コイビトって、こんなんでいいの…!!!?
自問自答しつつ。
それでも春奈は俺の、俺は春奈の、コイビトになった。
「あ………そういえば四人だった。」
「何が?」
「付き合った人。」
「あーっそう。」
もうツッコミ入れる気も失せるよ。
何人付き合ってようと、俺には関係ないじゃんか。
「テツさんと付き合ったよ、私。」
「………………はぁーっ!!!!!!?」
何馬鹿言ってんだ、コイツ。
だってアイツは……………
「一日デート。」
「お前ね、それ向こうは『一緒に遊んだ』感覚だよ、絶対。」
「うん、私もそう思う。」
春奈はにこーっと人なつっこく笑ってみせる。
「でも、なかなか良かったよ?」
「何が?」
「うん?楽しかったって事。誰かさんと違って私の事大切にしてくれるし?」
「あいつフェミニストで年下好きだからね。」
そりゃあまぁ、そうだろう。
きっと優しい目で春奈を見て、その後ろをついて行く。
もうそんな様子が目に見えるさ。
「うん、私リツと別れたら本気でテツさんの彼女になってるかも。」
「はー、まぁそれはないだろうね。」
「なんで?」
「ないね。」
「どうして?」
「テツは、春奈が俺の事好きだって知ってるからね。」
「…………言うわね。」
「言うよ。」
いいじゃん、自惚れじゃねーもん。
どうも俺は春奈が好きらしくて、春奈は俺が好きらしい。
それでいいじゃないか。
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